大量生産の時代は終わった。古河市の中小企業が今すぐ始めるべき「パッケージDX」と資源循環

新商品やイベントでは、パッケージ、ラベル、チラシなどの印刷物が必要になります。
一部当たりの単価を下げるために多めに発注すると、販売数が想定を下回った場合や、価格・仕様・表示内容が変更された場合に、未使用の在庫が残ることがあります。
そのため、印刷費だけでなく、保管、変更、廃棄、追加制作まで含めて設計することが重要です。

本稿では、パッケージとデジタル情報を組み合わせ、必要量や情報の更新方法を見直す取り組みを「パッケージDX」と呼びます。

1.小さく作り、段階的に追加する

オンデマンド印刷など、比較的少ない数量に対応できる印刷方法を利用し、試験販売後に追加発注することで、売れ残りや仕様変更による在庫リスクを抑えられる可能性があります。
ただし、対応できる数量、品質、費用、納期は、素材、形状、印刷方式、加工内容によって異なります。
少量であれば必ず安くなるわけではありません。実際の対応可否や条件は、印刷会社や加工会社への確認が必要です。

2.固定情報と変動情報を分ける

商品名、ブランド、基本的な説明など、比較的変わりにくい情報はパッケージや印刷物に掲載します。
一方、キャンペーン、動画、詳しい使用方法、最新情報などは、二次元コードからWebページへ案内する方法があります。
変動する情報をWeb側で更新できれば、情報変更のたびに印刷物全体を作り直す負担を減らせる可能性があります。
ただし、法定表示、安全上の注意、品質保持に必要な情報など、商品本体やパッケージへの表示が求められる内容を、Webだけに移すことはできません。商品ごとの表示要件を確認したうえで、紙とWebの役割を整理する必要があります。

3.使用後まで考えて素材を選ぶ

環境に配慮した紙、再生素材、植物由来素材、生分解性素材など、パッケージ素材にはさまざまな選択肢があります。
しかし、環境配慮型とされる素材を採用するだけで、資源が循環するとは限りません。
内容物の保護、安全性、衛生、耐久性、保存期間、分別のしやすさ、地域で利用できる回収・処理方法などを含めて判断する必要があります。
また、複数の素材を組み合わせたものや特殊な表面加工を施したものは、見栄えや耐久性が向上する一方で、分別や再資源化が難しくなる場合があります。
利用できる素材や加工方法は印刷会社・加工会社によって異なるため、具体的な仕様、認証、費用、納期については、実際に製造を担当する事業者への確認が必要です。

4.回収は運用の仕組みから考える

使用済みパッケージの回収や再利用、アップサイクルには可能性があります。
ただし、回収箱を置いたり、再利用を案内したりするだけでは、継続可能な仕組みにはなりません。
回収を実施する場合は、少なくとも次の事項を決める必要があります。

・誰が回収主体になるのか
・どこで回収し、どこに保管するのか
・誰が運搬するのか
・汚れや異物をどのように扱うのか
・回収や再加工の費用を誰が負担するのか
・回収後に、誰がどのように再利用・処理するのか

まずは店舗やイベントなど範囲を限定し、実際にどの程度回収できるか、再利用できる状態で戻ってくるかを確認する方法が現実的です。

企画段階のアイデアと、実際に運用できる回収・再利用サービスは、明確に区別して説明する必要があります。

パッケージを情報の入口として考える。
パッケージは、商品を包み、保護するだけのものではありません。

商品の特徴や使い方を伝え、Webページ、動画、問い合わせ、購入後の案内などへつなぐ情報の入口として設計することもできます。
有限会社コースターでは、パッケージの印刷・加工や環境配慮型素材の調達、使用済みパッケージの回収を自社で実施するのではなく、印刷物、Webサイト、動画、SNS等を組み合わせた情報設計と運用方法を整理します。
また、目的、数量、更新頻度、利用者、必要な表示内容などを確認し、印刷会社や加工会社を選定する際の条件や、各事業者へ確認すべき仕様を明確にする支援を行います。
何を印刷物に掲載し、何をWebで更新するのか。どのような素材や加工が候補となり、誰に対応可否を確認するのか。実施主体と役割を明らかにしながら、無理のないパッケージDXを検討することが重要です。

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